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冷え症で眠れない女性の方へ

寒い夜にふとんに入っても、足が冷えてなかなか眠れないという経験はありませんか。さまざまな体の不調を訴える「不定愁訴症候群」の症状の中に冷えがありますが、これは病気とはいえないものです。

冷え症は何が原因で起こるものか

人間の体の動きを支配する神経には、脳脊髄神経系と自律神経系があり、冷え症が関係するのは血液の循環を調節する自律神維系です。

自律神経系は、血管を収縮させて皮膚温を下げる交感神経と、拡張させて皮膚温を上げる副交感神経とに分かれています。通常、私たちの体温はこの両方の神経のバランスが保たれていることにより、安定しているのです。

しかし、冷え症の場合、副交感神維がよく働かず、手足などの末梢部にト分に血液が運ばれてきません。したがって、熱ほが体の深部から運ばれないため、手足の皮膚温が他の部分よりも低いままとなってしまうのです。

また、冷え症はホルモンとも無関係ではありません。ホルモン中枢のある視床下部では、自律神経もつかさどっているため、更年期などでホルモンのバランスをくずすと、血管の収縮と拡張がうまくいかなくなり、それが冷え症の原因にもなる場合があります。

さらにストレスとも関係があります。自律神経やホルモン中枢は、ストレスの彫響を受けやすいからです。

ストレスが引き金となってホルモンのバランスがくずれ、病気になるのと同じように、冷え症もまた複数の原因がからみ介って起こります。 

女子学生が研究した冷え症

ところで、冷え症の女性は于足が冷たいといいますが、その部分の温度は、他の部分と比べて何度くらいの開きがあるのでしょう。そして、冷え
症の効果的な対策は-。これまで、あまり明らかにされていなかったテーマに、共立女子大学家政学部被服学科の中島智子さんと大学院生の会田美穂さんが取り組みました。

まず、女子学生400人を対象にアンケート調査を行ったところ、76パーセントの人が冷え症と答え、そのうちの60パーセントの人が就寝時に自覚すると同答しています。冷えを感じる部位としては80パーセントの人が足、次に手といった体の末梢部と答えています。

程度の差はあるにしても全体の3/4にもあたる人が、手足の冷えのために快適な眠りが得られないということになります。その冷えの防術策と
して、靴下をはいて寝る、電気毛布などの器具の助けを借りる人がそれぞれ約3割いました。

冷え症の人は寝つくまでは苦労する

さらにこのデータを実証するために、冷え症の女子学生2名とそうでない人の2名について、体温の温度変化を測定しました。

まず、実験は足の冷え具合を調べることからスタートしました。人工気候室(人工的に温度、湿度を設定できる実験室)内で温水に足を浸し、水
分をふき収った後に皮膚温を測り、30分後に綿の靴下をはいて再び測定しました。この結果、ふつうの人は冷えた足が元の温度に戻ったのに対し、冷え症の人は、靴下をはいても皮膚温は上昇しませんでした。冷え症の人は、いったん冷えた足の温度は元に戻らないことがわかりました。

では、就寝時は、体温はどう変化するのでしょう。ベッド、綿の掛ふとん、ポリエステルの敷ふとんを用いて、就寝時の体温の変化を記録してみ
ました。

これによると、胸や背中などの体幹部はすべて33~34度であったのに対して、冷え症の人は手や足などの末梢部にいくほど、温度が低くなることがわかりました。ふとんの中に入ると、ふつうの人は20分後には胸、背中、手、足などの温度は33度で安定するのに対し、冷え症の人は体幹部と足の甲とでは10度もの差がありました。これではなかなか寝つけないでしょう。

ところが、いったん眠りに入ると、交感神経の緊張が取れるために末梢部の温度がふつうの人と同じ34度まで上昇しました。つまり、冷え症の人
は眠りにつくまでは苦労がいりますが、寝つけば安眠できるということなのです。

中島さんらは、冷え症の対策についても、さまざまな実験を試みました。体が温まるという入浴剤を使ってみたり、温湿布やトウガラシをはって
みたり、遠赤外線のセラミック靴下も試してみました。しかし、いずれの場合にも期待したような効果は認められませんでした。

冷え症にはこの方法で立ち向かう

以上の実験結果からもわかるように目下のところ、なかなか有効な対策がない冷え症ですが、とにかく冷やさないことが大切です。

冷やしたら、そのままでは元の温度に戻らないのが、冷え症の人の足の特徴なのですから。

ただし、治らないまでも食べ物や運動、入浴など日常の生活を少し工夫することによって、症状を軽くすることは可能です。

体を冷やさず、温める効米のある食べ物としては、肉や魚などの動物性タンパク質、ゴボウやニンジン、レンコンなどの根菜類、豆類がよいとい
われています。

これらの食品を摂取し、さらに指圧やマッサージで末梢部を刺激し、血行を促すのもよいでしょう。

体質をゆっくり改善していくことが、冷え症対策のキーポイントといえます。 



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